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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

生涯青春の町、サンシティー(5)

2006年11月号

 今回もサンシティーのボランティア活動に焦点を当てて、その成り立ちを見てみよう。

右写真:レイクビュー・レクリエーション・センター
サンシティーのボランティア組織

サンシティーでボランティアが掃除を(写真提供:Sun City Area Historical Society)

(写真提供:Sun City Area Historical Society)
 
サンシティー・ポシ(Sun City Posse)

 サンシティーが生まれて2年後、1962年。住民の一人、ルイス・インウッドがサンシティー市民協会に、あることを提案した。彼の提案というのは、サンシティーに保安官の予備隊を設置することだった。警察のないサンシティーの中に住民の安全を守る何らかの市民組織が必要だと主張したのだ。
 提案主のインウッドは、残念ながらその実現を見ないまま、世を去ってしまった。彼の案はしばらくの間、忘れ去らていたようだが、1973年に町の発展に伴って早急に必要な組織として浮き上がってきた。まず、マリコパ郡の非常時対策局部長であったエルドリッジ大佐がマリコパ郡保安官のポール・ブルバウムと会合を持った。その会合で、サンシティーの非常時災害対策の計画案を話し合ったのだ。同年、3月に8人の代表で構成される評議会ができた。そこで、エルドリッジ大佐は、非常事態発生の際に郡の保安官や消防署が駆けつけるまで、地元の組織が即時対応できる能力を持っていなければならないと提案した。8人の代表に一人、ボズウェル病院のブレア医師は、地元住民の中からこうした非常事態に備えた訓練を受けたボランティアを募って、ポシ(Posse)、つまり警護団のような組織がサンシティーにふさわしいと主張した。
 この二人の提案は全員の賛同を得、早速組織化へと実現していった。警護団には警察支援隊、非常時連絡委員会、赤十字、消防署予備隊が作られた。誕生時のポシは25名の隊員で構成され、全員がFBI のチェックと承認を得て合法的に治
安管という立場が与えられた。
 こうして今ではポシは住民にとって無くてはならない組織として定住している。言うまでもなく、多くのボランティアは、元警察官や軍人などが多くこの役を買って出ている。

(写真提供:Sun City Area Historical Society)
   
 
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