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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

生涯青春の町、サンシティー(4)

2006年10月号

 いつまでも生き甲斐のある人生を!そんな理想の生き方を提供している町。これがサンシティー。

 今回は住民のボランティア精神を見てみよう。

 

右写真:レイクビュー・レクリエーション・センターに立つ銅像。サンシティー住民のボランティア精神を称え、「捧げるライフスタイル」という名が付けられている。

 

1960年当初、通りに出た大きな看板(写真提供:Sun City Area Historical Society)

サンシティーのグランド・オープニング当時のチラシ(写真提供:Sun City Area Historical Society)

デル・ウェブ社が作ったサンシティーの宣伝ビデオ#2

 

工事第二段階(1969年8月)写真提供:Sun City Area Historical Society

サンシティー在住の日本人、節子ラムザーさんがボランティアで教えるダンス教室

 

 ウェブには独自のコミュニティー形成の構想があった。サンシティーという全く新しい形態の町には。全く新しいタイプの住民のニーズを考える必要があった。
 まず、住民。彼らはもちろんリタイアヤの年齢だから、高齢者だ。この高齢者がわざわざ新しい生活をするためにサンシティーという町に引っ越してくるわけだ。そうすると、こうした人たちは、中流階級のある程度資産がある人たちであること。また、退職前には、しっかりした職業を持ち成功していること。また、個性豊かで人を頼らないで生きようとする人たちであること。従って、彼らが購入を希望する家は、こうした新生活のイメージに完全にマッチしなければならい、とウェブは考えていた。
 その考えが手に取るようにわかるのが、1960 年1月1 日のサンシティーのグランドオープニングに駆けつけた人たちが見た、サンシティーのチラシにあった謳い文句だ。
 「意欲的な新生活を(an active new way of life)」、「パラダイスはここに(paradise found)」、「限りなき活動の数々、そして農業も少々(activities unlimited and a bit of farming too)」。まだ住民がいない町の宣伝だから、もちろん写真はないが、理想卿のイメージ作りを助けるイラストがを使った。
 こうしたデル・ウェブ自身の創立のビジョンが住民に与えた影響は多大だった。「意欲的な新生活」を求めてサンシティーに移住してきた人々。そしてサンシティーは、「意欲的なリタイヤメント・コミュニティー(Active Retirement
Community)」として誕生したのだ。
 ここからボランティアの精神が当然のことのように生まれた。また、ボランティアなしではサンシティーは成り立たないのだ。
 高齢者には経験がある。意欲的、積極的な高齢者のこうした経験を無駄にする手はない。様々な分野の職業経験をこの地で生かすことによって、住民も生き甲斐を維持でき、共同体も進歩できる。政府のない共同体で住民が積極的に貢献して、住民サービスを提供できる。これは世界の注目を浴びるのが当然である。

 

 
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