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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

古代インディアンの遺跡あれこれ(続)

2000年6月号

 先月号に続いて、古代インディアンの遺跡の話。今月は、シナワ・インディアンとサラド・インディアンの遺した建物に焦点を当てた。

ウパッキ遺跡国定記念物
シナワ(Sinagua)族の遺跡

 シナワとは、スペイン語で「水がない」という意味。このシナワ族は、ホホカム族とアナサジ族から強い影響を受けていた。彼らは、南に住むホホカムや北に住むアナサジと活発に交流し、物々交換をしていた。シナワの遺跡からホホカムやアナサジのものと見られる壺や工芸品が発掘されている。

 1604年にサンフランシスコ・ピークの山の噴火活動が盛んになり、多大な影響を受けた。

ウォルナット・キャニオン国定記念物

 

ウパッキ(Wupatki)国定記念物

 

 ここには、ウパッキ遺跡、サイダデル遺跡、そしてロマキ遺跡がある。こうした遺跡から槍の矛先や石器が発見されている。現在遺されている遺跡は、西暦1106年から1212年の間にシナワ族が生活していた場所とされている。ここからトルコ石や貝殻、宝石類、銅の鈴、籠などが発掘されいるので、他の部族との広い交易が行われていたことを物語る。

公式サイト

ウォルナット・キャニオン(Walnut Canyon)国定記念物

 ウォルナット・キャニオンでは、岩壁に洞窟を作って生活をしていた、いわゆる「クリフ・ドウェラー(Cliff Dweler)」の遺跡が数多く見られる。ここがシナワ文化の中心地であったと考えられている。ここでは、紀元800年から900年のものと紀元1150年から1225年のものが発見されており、その中間の活動を示すものが発掘されていない。その間にどこか他の場所に移動していた可能性もある。

公式サイト

ツジグート遺跡

 

モンテズマ・キャスル遺跡
ツジグート(Tujigoot)国定記念物

 この地域は、バーデリバーが流れるバーデバリーと呼ばる盆地地帯である。紀元700年頃の壺などが発掘されている。最も栄えたのは、紀元1200年頃のようだ。

公式サイト

 

モテズマ・キャッスル国定記念物

ツジグートと同様、バーデ・バリーにあり、農業を営むのに適している場所にある。紀元1100年頃、人口が増え、文化が栄えていたようだ。クリフ・ドウェリングで洞窟にすみ、今も17室の住居が遺っている。

公式サイト

   
サラド族の遺跡

 サラド族は、シナワと同様、アナサジとホホカムから影響を受けて文化を作った。彼らは、現在のトントやグローブ/マイアム周辺に紀元1000から1450年まで生活をしていた。

ベシュ・バ・ゴワ(Besh Ba Gowah)遺跡

 アリゾナのグローブ市が管理している遺跡。ベシュ・バ・ゴワとは、アパッチ族の言葉で、「金属の地」の意味。この周辺は、銅の産出で有名だ。ここは、西暦1225年から1450年の間にできた村落だ。かつては、村全体で部屋が450室ほどもあったと言われている。

公式サイト

   
 
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