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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

日本でも話題となった百歳のゴルファー

2020年3月号

 近年、私たちの平均寿命が伸びてきたとは言え、やはり100年生き抜いてきた人は、まだまだ多くない。しかも、三桁の年齢になっても、毎日のように元気にゴルフを楽しむ人は、稀な存在と言える。
 実は、このような人がアリゾナのセドナにいることがわかった。しかも百歳でホールインワンという快挙を見せ、そのことが日本の雑誌に紹介されている。
この人は、ヒューバート・ブーツ・クラウンツさんだ。1919年3月21日に生まれ、そろそろ101歳の誕生日を迎える。
 今月は、この通称「ブーツさん」を訪ねて、セドナにあるキャニオン・メサ・カントリー・クラブのクラブハウス とその近くの自宅でお話を聞いてみた。

ゴルフクラブを振るブーツさん(自宅にて)
すでに15回もホールインワンを決め、その度に受けた表象を自宅に飾ってきた

 

 
 
セドナの地元紙で紹介されたブーツさん

 

ブーツさんを日本のゴルフ・ダイジェスト誌に紹介した中西夫妻
 
 

 

100年前オクラホマで

 

 そろそろ101歳を迎えるブーツさんは、オクラホマ州で生まれた。第二次世界大戦では、米軍に入隊し、ビルマに派兵されたという。
 戦争が終わり、1946年退役。そして、すでにオクラホマからフェニックスに引っ越していた奥さんの元に戻った。フェニックスでは、銀行に勤め、アリゾナ内で転勤を繰り返した。その後、保険会社に転職し、州内を転々としたという。
そして、1990年に奥さんと一緒にセドナに移ってきた。

   
ホールインワンの王者

 セドナでは、リタイヤの生活。そこでゴルフ場へ。子供がいない夫婦だったブーツさんは、セドナに引っ越してきて5年後の1995年に奥さんを病気で亡くしてしまう。独り身となった彼だが、持ち前の明るさと前向きな性格が彼を支えた。
 セドナのキャニオン・メサ・カントリー・クラブでは、元々スポーツ万能なブーツさんは、次々とホールインワンを成し遂げて、皆をびっくりさせた。実は、昨年、99歳で達成したホールインワンは、何と、14回目である。

自宅に飾ってある若き日のブーツさん
 

 

今は亡き奥さん

 

日本が注目

 この驚くべきニュースをセドナ在住の日本人夫妻が日本の雑誌、「週刊ゴルフダイジェスト」に持ち込んだ。この日本人が中西清二さんと奥さんの苑子さんだった。中西夫妻は、清二さんがリタイヤした後、セドナに引っ越していた。そして、ブーツさんと中西清二さんとはゴルフ仲間になった。中西さんからブーツさんの驚異のニュースを受けとったゴルフダイジェスト社は、早速、4月24日付の週刊ゴルフダイジェストにその記事を掲載した。「99歳でエース達成!これぞ理想のゴルフライフ」と太文字のタイトルが入った。

   

   
まだ止まらないホールインワン

 昨年のホールインワンは、 ブーツさんにとって彼が95歳の時以来の快挙だったという。つまり4年ぶり。ところが、本年、100歳となったブーツさんが、またまた、ホールインワンを成し遂げ、2年連続の驚異が「信じられない」ニュースとなった。
 これを日本に報告したのも中西夫妻だった。
 そして、本年の2月18日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で「100歳の快挙またまた。大統領から誕生日カード贈られた直後」という見出しで記事が掲載されたのだ。ついに15回目のホールインワンとなった。

   
長生きの秘訣は?

 長生きの秘訣を聞くと、「秘訣なんか何もないよ」と言う。彼は、50代、60代、70代と何も特別なことをしてこなかった。特別な健康薬品や健康食品を取った訳でもない。しかも、世間で健康に良いと言われる食べ物は好きでないので、ほうれん草やカリフラワーなど、野菜も食べない。
 しかし、ブーツさんは、何と言っても人が大好きだ。ケアテーカーの人や周囲のいろんな人たちに感謝している。そして毎朝、ゴルフ場に来て、クラブハウスで、友達とトランプカードに興じて、その後、ゴルフを楽しむ。とにかく、友人たちと一緒にいることが彼の命を支えている。「こうした人々と一緒にいなかったら、とっくの昔にあの世に行っているよ」と語る。
 そして、「誰にも言ってはいけないよ。今も、アパートからこのゴルフ場まで車を運転してきているんだよ。もう目がよく見えないから、一生懸命、安全運転を祈ってね。今度運転免許の書き換えの時は、視覚検査で落ちると思うから、その時が運転の最後だよ。」と。
 常にユーモアを忘れず、毎日を楽しむブーツさん。次のホールインワンの日を楽しみに、いついつまでも長寿と健康であることを願う。

 

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