HOME

カテゴリー別

このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

知事賞に輝いたアリゾナ酒

2018年9月号

 「アリゾナ酒」を酒造している櫻井厚夫さん。昨年の11月号の特集で紹介したこの「アリゾナ酒」がこのほど、アリゾナ州の知事賞を受け取り(右写真)、その高い品質が認められた。そればかりでなく、本年の6月には、SAKE COMPETITIONという日本酒のコンテストで、海外出品酒部門で、第1位の賞に輝いた(下写真)。
 今月は、この「アリゾナ酒」の栄誉を築いた櫻井さんを再び紹介しよう。

写真提供(櫻井厚夫さん)
SAKE COMPETITION

 日本で行われている酒のコンテストには、いろいろあるが、この「SAKE COMPETITION(サケ・コンペティション)は、2012年に始まった日本酒のコンテストで、毎年6月に開催されている。審査員は、技術指導者、有識者、蔵元からなる、予審36名、結審41名で構成される。
 もともと、櫻井さん自身は、このコンテストの存在さえ、知らないでいた。ところが、本年の2月頃、櫻井さんにSAKE COMPETITIONの方から連絡があったのだ。それは、このコンテストに参加を促す内容だった。櫻井さんは、ちょうどその頃、日本に行くことにしていたため、コンテストへの参加を承諾した。
 何から何まで、一人でこなしている櫻井さん。造酒、販売、配達、市場開拓と毎日が多忙だ。そこで、とりあえず、できていた酒を何本か梱包して、日本に向かった。
 コンテストでは、酒造者が製品を担当者に渡すと、あとは、結果が出るまで待つしかない。酒造者がそのコンテストの過程を見ることはできない。
2018年のSAKE COMPETITIONでは、出品が454蔵、総出品数1,772点。内訳は、純米酒部門が456点、純米吟醸部門が534点、純米大吟醸部門が445点、吟醸部門が198点、Super Premium部門が48点、スパークリング部門が74点、そして、海外招待出店が17点だった。まずは、予選を通過した出品が結審に行き、そして最終結果が発表される。
 そして、6月11日に上位入賞酒が発表された。
櫻井さんが出品した海外出品酒部門は、本年から新設されたばかりの新部門である。この部門では、出品数が17点あり、その中から桜井さんの「アリゾナ酒」が一位に輝いたのだ。

6月のサケ・コンペテション受賞者。櫻井さんは左端。

 

桜井さんの心は

 

 「アリゾナ酒」の売れ行きは上昇をし続け、多くの人から高評を得ている。そして、今回のSAKE COMPETETION 一位の朗報。桜井さんにとって、コンテストの勝利そのものも嬉しいニュースだった。ただそれ以上に彼を嬉しくしてくれることがあると言う。それは、コンテストといういわば客観的な評価の場でその味が証明されたことで、今まで「アリゾナ酒」を高く評価してくれている消費者の人たちに、一層喜んでもらえること自体が幸福感を満たしてくれている、と彼は語った。

 
地元地域が認める「アリゾナ酒」

 櫻井さんの酒造本拠は、アリゾナ州ホルブルックという小さな町だ。このホルブルック商工会議所が櫻井さんを2018年の代表ビジネスマンとして称賛し、賞状を出した。(下写真)
 そして、ついにアリゾナ州知事の耳に入り、本年8月に櫻井さんは、知事賞を受けている。櫻井さんがたった一人で始めたアリゾナでの日本酒の生産。これからもいろんな困難を克服しながら、大成功への道を歩み続ける。