このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。
フェニックスのストリート名
2018年4月号
日頃何となく通っているストリートでも、その名前の由来がよく知られていない場合が多い。日本でもアメリカでも、自分が住んでいる場所で毎日通っているのに、その名がどうして生まれのか気づいている人は少ないのが現状だ。 |
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アメリカ大統領の名前を使ったストリート |
1) ワシントン・ストリート (Washington Street): 1870年にフェニックスで初めてできた東西を走る道だ。ちなみに、同時期にできた南北を走る通りは、セントラル・ストリートと呼ばれ、現在は、セントラル・アベニューと成っている。この2本の道からフェニックスは出発した。ワシンントンは、もちろん、アメリカ初代大統領の名前だ。
ここで、アメリカ第6代大統領の名前がストリート名として使われてないのに、お気付きだろう。これは、第6代大統領が、ジョーン・クインシー・アダムスで、すでにアダムス・ストリートが存在しているために、第6代は、抜かれている。 |
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南北を走る縦の道
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フェニックスは、初めから人工的に碁盤の目のように通りを設置して作られた町だ。当初の小さな街には、東西横に大統領の名前が使われ、南北の盾には、セントラル・ストリートを除いて、すべてネイティブ・アメリカンの種族の名前が使われた。しかし、1910年に、より整備をすることを目的として、南北縦の通り名に変更が加わった。
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郊外の通り名 |
こうして、町の中心街の通りが整備されると、その郊外の通り名が徐々に生まれていくようになる。当時、郊外に住む人たちは、州外からアリゾナに移ってきた入植者の農場主が多く、その農場主の名前が使われるようになる。 1) トーマス・ロード (Thomas Road): 農場主、ウィリアム・トーマスが85エーカーの農地を所有していたところから、トーマス・ロードとなった。この当時は、フェニックスの北の市境は、ヴァン・ビューレン・ストリートだった。1896年の書類にこの通りの名前が出ている。
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北端と南端を意味していた道路 |
1) ノーザン・アベニュー (Northern Avenue): 北通りの意味。まだ、フェニックス市が小さな町であった頃、市の一番北側を意味してできた道路名。
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ユニークなストリート名 |
1) ベサニー・ホーム・ロード (Bethany Home):「ベサニー」とは、新約聖書に登場するエルサレム近郊の地名。「ホーム」は、肺結核患者の療養所のことで、当時、全米から多くの肺結核患者が温暖で空気が乾燥したアリゾナの療養所で治療を受けていた。ある教会がこうした療養所を開いていたことが通り名の由来となる。ちなみに、古代ベサニーの地は、病人と貧乏人をかくまう場所として知られていた。
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