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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

日本人学生達がアリゾナでグローバル体験を

2018年10月号

アリゾナ州立大学(ASU)では、外国人学生に英語の集中講座を設けて、英語教育を長年続けてきた。そして、多くの学生が様々な国から来て、英語を学び、母国に帰る者もいるが、更に正規にASUの学部や大学院に入学している学生も多い。その教育プログラムの一環として、外国の大学と提携し、学生を短期間受け入れ、グローバル体験もさせるものがある。今回は、日本の桜美林大学から毎年学生を受け入れ、しかも、ツアー関係などの勉強で、実際に空港で仕事をするというユニークな体験プログラムを紹介することにした。

左から川村紬さん、鈴木真由子さん、立花桃さん
フェニックス・スカイハーバー空港でインターンの体験をする奥野真依さん、平澤果歩さん、小野綾依さん

ASUのグローバル・ラウンチ・プログラム

アリゾナ州立大学(ASU)は、1974年に外国人学生を対象にイングリッシュ・スキルズ・プログラム  (English Skills Program) という集中英語教育プログラムを立ち上げた。その後、名称がアメリカン・イングリッシュ&カルチャー・プログラム (American English and Culture Program) と改名され、現在、グローバル・ラウンチ(Global Launch)となっている。
この集中英語講座では、英語を教室で教えるだけでなく、より幅の広い分野でのグローバルな体験を外国人学生に提供するプログラムも組んでいる。桜美林大学生を対象にしたエアライン・ホスピタリティの体験教育もその一環である。

 

桜美林大学

 

桜美林大学は、清水安三が「キリスト教主義に基づいた国際的な教養人の育成」を目指して1966年に創立した。アメリカ、オハイオ州にあるオーバリン大学で学んだ彼は、そのオーバリンの名に因んで、自分が創立した大学に「桜美林」という名を選んだ。現在、桜美林は、アメリカのオーバリン大学と姉妹校となっている。
この大学には、アビエーションマネジメント学類が設けられいて、エアライン・ビジネスコース、エアライン・ホスピタリティコース、フライト・オペレーションコースが設置されている。

毎年、1,700万人を超える乗降客が押し寄せるフェニックス・スカイハーバー空港には、インフォメーションデスクに絶えず人々が立ち寄ってくる。
ASUと桜美林大学との協定
桜美林大学の学生をASUが受け入れ、英語教育の中で、エアライン・ホスピタリティを日本人学生に体験させるというプログラムが2013年に始まった。当時、テンピに本拠を置く航空会社、U.S. エアウェイズ社がこうした学生達を訓練する場所を提供していた。2015年にU.S.エアウェイズは、アメリカン航空に統合され、テンピの本社はなくなってしまった。そこで、フェニックス市がインターンシップを受け入れることになり、フェニックスのスカイハーバー空港内に設置されているインフォメーションデスクで旅行客の様々な質問や要望への応対を体験するプログラムを組んだ。過去5年、毎年30人の学生が桜美林大学から送られている。
桜美林大学では、2年生の現役学生を対象に、プログラム希望の学生達に試験を行う。そしてその試験の結果で30名が選抜される。顕著なのは、そのほとんどが女子学生だということだ。過去5年、男子学生がこのプログラムに参加したのは、たった3名だという。
桜美林から送られてきた学生達は、グローバル・ラウンチで他の外国人学生と一緒にASUで集中英語講座を受ける。その上、桜美林大学の学生だけを対象として特別クラスが設けられている。それは、客室乗務員用とツアリズム用の英語を学ぶクラスである。
そして、学生5名が一つのグループとなって、スカイハーバー空港にインターンとして送られて仕事を体験する。30名の学生が週に1回この実地研修を受ける。
こうして、秋学期をASUで学んで、12月に日本に帰国する。学生の中には、帰国子女で海外生活の経験がある両親の元に育てられた人や、小さい頃から英語教育を受けるチャンスがあった人もいる。ともあれ、英語に一生懸命取り組んで、将来の夢を実現しようとする日本の学生にとって、貴重なアリゾナでの短期滞在となる。