このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。
テンピに登場するストリートカー
2011年11月号
ライトレイルがフェニックスに登場したのは12008年12月のことだ。それからまもなくして、今度は、テンピ市が同様の交通機関の導入計画を明らかにした。当市は、これをテンピ・ストリートカーと呼び、現代版の市街電車の登場となる。市街電車は、かつてアメリカの主要都市に欠くことができない大事な交通手段だった。しかし、車社会の台頭でこうした市街電車は次々と姿を消していってしまった。ところが、大都市における慢性的な交通渋滞、破棄ガスによる空気汚染、そしてガソリン代の高騰などで、人々の意識変化が顕著となってきた。そんな状況下で市街電車の導入が再検討され始めたのだ。 今回のテンピ市のストリートカー導入計画は、アリゾナ州立大学をかかえるカレッジタウンに新たな活気を呼ぶ可能性が高い。 今月はこの新ストリートカーの計画を探ってみよう。 |
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シアトル市のストリートカー(写真:近畿車両社提供) |
メトロ(METRO) |
メトロは、フェニックス及びその周辺都市の公共交通システムである。これには、バスはもちろん、ライトレイルの電車も含まれる。メトロは、現在のライトレイルを基礎にさらなるプロジェクトを立ち上げた。それは、テンピ市の中心街2.6マイルを走るストリートカー、つまり市街電車の計画だ。そして、昨年2010年にそのプロジェクトが承認された。このストリートカーの運行は、現存の公共交通システムをさらに発展させる重要なカギを握っている。 |
過去3年の検討 |
テンピのストリートカーは、3年前に「テンピ・サウス・スタディー」という名で始まった研究の賜物である。この「スタディー」は、テンピ市とチャンドラー市の公共交通機関を強化することを目指してスタートした。 今回のテンピ・ストリートカーは、まだ第一段階であり、将来は、全線57マイルまで伸ばして、収容能力が高い公共交通システムを目指している。このプロジェクトの全ての完成は2031年というから、まだまだ先の話である。 |
テンピ・ストリートカーが目指す効力 |
1) ミル・アベニューの交通手段を増やすこと |
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車両 |
本年9月18日にテンピのライトレイルの駅にストリートカーがお目見えした。この電車は、日本の近畿車両株式会社が生産した車両である。ちなみに現存のライトレイルも同社の製品である。 |
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完成の日まで |
テンピ・ストリートカーの企画は、2016年の完成を目指している。明年2012年からは全体の設計が始まる。そして、同年の半ばから工事への準備が行われ、実際の工事は、2013年の半ばに開始されることになっている。そして3年間の工事を経て、2016年にミル・アベニューを走る市街電車を見ることができるようだ。 |