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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

古代からのメッセージ、
ディア・バリー・ロック・アート・センター

2010年7月号

(Deer Valley Rock Art Center)


 家族で気軽に行って、古代先住民が遺した絵などを見ることができる場所がある。それが、ディア・バリー・ロック・アート・センターだ。現在アリゾナ州立大学が管理運営をしている。ビジターセンターには、詳細を説明するパネルが設置されている。そこを抜けて、トレイルに入ると、そこは、一挙に何千年も前に戻ったアリゾナ砂漠が待っている。

   
ディア・バリー・ロック

アート・センター

 家族で気軽に訪れて、古代先住民が遺した絵などを見ることができる場所がある。それが、ディア・バリー・ロック・アート・センターだ。ここは、現在アリゾナ州立大学によって管理運営されている。センターのロビーには、詳細を説明するパネルが設置されている。その建物を抜けて、外のトレイルに入ると、そこには、一挙に数千年の過去に戻ったアリゾナ砂漠が待っている。

 
センターの創立

 フェニックスは昔から突然の大雨などで、それまで乾燥していた谷間に大量の雨水が流れ込み洪水になることがあった。フェニックスの人口が増え始めると、こうした災害の可能性を考慮して、人家などへの被害を最小限におさえるために、ダムの建設をすることになった。
 こうして、現在のディア・バリー周辺の地質調査が行われ、1970年代にダム工事が始まった。この一帯は、古代に地殻変動で火山活動があり、花崗岩の岩が重なり合った場所だ。調査が進むと、おびただしい数の絵や模様が岩の表面に遺されていることを発見した。早速考古学者がその検証に入り、この絵は古代先住民が描いたものであることが確認された。中には古いもので5000年以上前のものがあることもわかった。
 こうして、ダムの建設と同時に、こうした人類の遺産を保存するために博物館を創立することになった。その結果、1980年に米陸軍技術隊が博物館の建設を一手に引き受けた。センターの建物は周囲の環境に溶け込むような設計がなされ、一般市民が身近に接することができるように作られた。
 センターの完成後、1984年にアリゾナ州立大学の人類進化社会変化学部がその運営を担当することになり、現在に至っている。ここは、アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定されている。

センターの開園時間
10月から4月:午前9時〜午後5時(火曜日〜土曜日)、正午〜午後5時(日曜日)
5月から9月:午前8時〜午後2時(火曜日〜日曜日)
問い合せ: 623-582-8007
http://dvrac.asu.edu