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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

生まれ変わったハーバーガー劇場

2010年11月号

 

HERBERGER THEATER CENTER

 アリゾナの夏の終わりは、芸術活動の始まりを意味する。各劇場は新シーズンの始まりに活気立つ。フェニックスのダウンタウンにあるハーバーガー劇場もその一つだ。その上、この劇場は、改装工事が完了したばかりで、今シーズンはこれまで以上に力が入る。 今月は、この生まれ変わったハーバーガー劇場を訪れてみよう。

 
ハーバーガー劇場の修復工事

 2006年、フェニックスの市債を当劇場の修復作業に費やすことが、住民投票で承認された。そして、1660万ドルの総工費で外装と内部の大幅な改装工事が始まった。最も際立った修復は、ロビーである。丸天井から吊るされているLED電球がロビーの内外を明るく照らすことになる。また、2階のギャラリーにギャラリー・ラウンジが加えられ、地元芸術家の様々な作品が展示されていく。その他、センター・ステージとステージ・ウェストと呼ばれる劇場内の座席やカーペットなどを始め、広範囲な改善がなされ、それぞれ新しい素材を使って生まれ変わった。

 

 
ハーバーガー夫妻

 ジョージ・ロバート・ハーバーガー(通称ボブ・ハーバーガー)とその妻、キャサリン・ハーバーガー(通称カックス・ハーバーガー)は、博愛主義者として、アリゾナの文化水準の向上に大いに貢献した二人だ。
ボブ・ハーバーガー(1904 - 1999)は、ミネソタで生れ、何と12才の時に父親の営むデパートで仕事を始め労働の価値を体験し始めた。この経験は、後にG.R.ハーバーガー・デパートメント・ストアーを作り上げ、その社長として、10州にわたり40店舗を経営するまでに発展する。
 一方、カックス・ハーバーガー(1912 - 2003)は、やはりミネソタで生れ、ミネソタ大学を卒業後、劇場プロダクションの仕事に取り組んでいた。そしてボブを紹介され、1934年に結婚して新生活を出発した。
1949年に夫婦はフェニックスを新天地とした。そしてその新天地が新たな地域社会貢献の場となった。ボブ・ハーバーガーは、カレッジフットボールのチャンピオンシップ・シリーズの一つとなっているフィエスタ・ボウルを誕生させ、その他芸術文化興隆を推進する様々な組織の運営などに積極的に関わった。カックス・ハーバーガーもスコッツデール芸術コミッションの議長などをつとめ、文化運動の大きな貢献者となった。
 そして、1989年にハーバーガー劇場の寄贈となったのである。こうした功績がたたえられ、夫婦は、アリゾナ州立大学から名誉博士号を授与されている。

222 E. Monroe St, Phoenix
www.herbergertheater.org