このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。
ソノラ砂漠博物館を楽しもう
2009年7月号
ソノラ砂漠は地球上に存在する砂漠の中でも最もユニークな砂漠だ。メキシコの北部からアリゾナの南部一帯に広がるこの砂漠に、それこそ多数の動植物が生息し、特異な生態系を作り上げている。あのサワロと呼ばれる巨大なサボテンもソノラ砂漠にしか生存しない植物である。 |
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創立まで |
創立者は、ウィリアム・カー。彼は、ニューヨークで平凡に育った。ところが父親を17才で亡くし、高校退学を余儀なくされる。そして、ボーイスカウトに入団。その時に培ったニューヨークのベア・マウンテン州立公園でのキャンプの経験、そしてその後就職したアメリカ自然史博物館での仕事が、彼の独学への情熱をかき立てて来た。病弱であった彼は、乾燥した気候を求め、ニューヨークからツーソンに移って来た。1944年のことだ。ツーソンで自然史の執筆をしていたが、アリゾナの砂漠を知れば知るほど、当時のアリゾナの住民はもとより、連邦政府の人間もソノラ砂漠の生態系に無智であることに気がついた。そこで彼は、ニューヨークのベア・マウンテンのような、自然を一般市民に教育できるような施設の必要性を痛切に感じた。しかし、一文無しの彼には、そのような事業をする経済力は皆無だ。しかし彼の情熱は、まもなく、博物館の創立へと開花していくのである。 |
現在の博物館 |
博物館の目指すものは、「ソノラ砂漠への愛情、感謝、そして理解を育むことにより、人間が自然界との調和をしていけるように促進する」ことになる。約4万種の植物と、106種のほ乳類、241種の鳥類、361種のは虫類、122種の両生類、10700種の魚類、840種の節足動物が館内で生息している。館内をつぶさに歩くことにより、ソノラ砂漠の詳細を如実に知ることができる。 |
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開館時間 |
6月~8月: 月~金:7:30 am - 3 pm(2:15 pm以降の入館は不可) www.desertmuseum.org |