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このページに掲載されている記事は、月刊じょうほう「オアシス」誌の記事を出版後に校正し直したものです。

サビノ・キャニオンを歩く

2002年12月号

 ツーソン北部サンタ・カタリナ山脈に流れるサビノ・クリーク。その水を見ながらハイキングやピクニックを楽しむために多くの人々が訪れているサビノ・キャニオン。

 今月は、この人気上昇のキャニオンを歩いてみよう。

 サビノ・キャニオンは、隣接するマウント・レモンと同様に、サンタ・カタリナ山脈の中にあり、コロナド国立森林の一部である。このサンタ・カタリナ山脈は、約12億年前に北米大陸の西部で隆起してできた山脈だ。その周辺が地殻変動で沈没し、谷ができた。そして川の水が地表の侵食をし、その沈殿物が現在のツーソンの地表となった。カタリナ山脈の岩は、主に花崗岩と硬い帯状の片麻岩(へんまがん)である。地質学者によると、この片麻岩の誕生は15億年前にさかのぼるとのことだ。

  高速道路I-10をIna Rd.で降りる。東に進み、Skyline Dr., Sunrise Dr.を東に行くと、サビノ・キャニオンの入り口に着く。

 サビノ・キャニオンは、そこを流れるサビノ・クリークからの豊富な水に恵まれ、コットンウッド、ヤナギ、クルミの木などが伸び、裾野には、ソノラ砂漠特有のパロバーデ、サワロなどの植物が繁殖している。

 動物もリス、シカ、マウンテンライオン、ボブキャット、コヨーテ、多くの鳥類が生息している。

 時は1887年。ある日突然、サンタ・カタリナの山々から白煙が立ち上がった。これは、隣のメキシコで起きた大地震の影響だった。この地震がサビノ・キャニオンの地下を振動し、巨大な岩が崩れ落ちて来たのだ。今でも大きな岩が斜めにずれ落ちたような風景を見ることができる。(左写真)

 連邦政府がサビノ・キャニオン一帯をカタリナ森林保護区に指定したのは、1902年だった。その後、コロナド国立森林と指定される。ダムなどの建設が企画されたが、失敗の連続で、1930年にようやくダム、橋、道路、トイレ、ピクニック設備などが、ニューディール政策の一貫として建設、装備された。

 1963年にビジター・センターが完成し、公園内の夜間のキャンプと自動車によるドライブが禁止された。そして1978年にトラムというシャトルバスが運行開始した。

サビノ・キャニオンの公式サイト