アリゾナ州巡り、その1


日本人が知らないアリゾナ


グランドキャニオン・ノースリム

 グランドキャニオンは、世界の七不思議と言われるほど有名な大自然の芸術作品です。毎年500万人以上の人がここを訪れているということです。

 でも、そのほとんどは、サウスリムというグランドキャニオンの南側です。僕も時々行きますが、ものすごく観光化が進んでいて、自然を見に行ったというより、人を見に行ったと思うほどです。最近は、中国人の団体客が本当に多いです。中国語が飛び交っています。

 こうなると、僕のように、ゆっくり自然を楽しんで写真を撮ろうという気持ちで行っても、なかなか、そういう訳にはいきません。

 ところが、グランドキャニオンのノースリムは、最高です。距離的には、サウスリムから車を飛ばして3時間半くらいで到着します。なんと言っても、巨大な谷ですから、大きく回り道をして行かないと着きません。

 ノースリムは、標高がサウスリムよりも高く、冬は大雪で道路が遮断されてしまいます。ですから、毎年5月中旬から10月中旬までしかオープンしていません。

 このノースリムに行くと、真っ先に目に飛び込んで来るのが多くの鹿たちです。また白樺の林も綺麗で壮大です。人混みを見ることがありませんから、ゆっくりとカメラのファインダーを覗いて、大自然を楽しむことができます。

 10月のある日に、グランドキャニオンの夕陽の写真を撮りに行きました。この機会を逃すと、、そろそろノースリムへの道路が冬で閉まってしまいます。そこで、意を決して行くことにしました。

 朝の6時にフェニックスの自宅を出て、車でただただ北を目指して走り続けました。ノースリムに近づくと、すでに地面には雪がありました。昼過ぎにノースリムに着き、ゆっくりと歩きながら、紅葉の木々を写真に収めたり、鹿の写真を撮ったりしました。そして、夕方にキャニオンのビューポイントに立って三脚を取り出すと、すでに同じように夕焼けのキャニオンを撮ろうとしている写真家がたくさんに立っていました。

 日が沈みかける頃が最高です。斜めに入って来る太陽光線がキャニオンの岩にあたり、赤い岩がさらに鮮やかな色で光を反射します。しかも、太陽の位置が低くなればなるほど、全体の色のコントラスがどんどん変化して行きます。まさに、大型の自然映画を観ているような感覚です。

 と同時に、月が東の方から上がって来ました。この時間になると、急に温度が下がり、冷たい空気が肌に当たっているのを感じます。

 グランドキャニオンの頂上は平面です。そこから少しづつ姿を見せる月は、感動的でした。

 さあ、写真を撮り終わると、周囲はすっかり真っ暗。しかも寒くて体が震えて来ました。急いで、三脚をしまい、駐車場に向かいました。

 再び、車を飛ばしてフェニックスの自宅に戻ったのは、翌朝の2時頃でした。日帰りでノースリムまで行ったのは、これが最初です。でも、これが最後になるとは思っていません。